なにが、そんなに怖いんだ?
そんなこと思ってるのは、お前1人じゃないんだ。
失うことを覚えて、手に入れることが怖くなった。
いつかは失ってしまうものなのに、どうして、みんな平気でいられるの。
「どうして、泣くんだ…?」
わからない。いちいちこんなこと気にしてちゃ、生きてなんていかれないのに。
くすくすくす……。
あまりにも滑稽な自分の姿に、侮蔑の嘲笑を贈る、ワタシ。
どうすればいいのどうすればいいのほんとうにもう。
枕に伏せた頬に、新たなしずくがつたい落ちる。
「…………ッ」
伸ばされた手が、困惑の表情で散らばった髪の毛を優しく撫でた。
「………なにが、そんなに、怖いんだ――?」
わからないわからないこんなわけのわからないかんじょう。
ただ――――コワイ。
いつか、失うことが。
いつか、見限られることが。
いつかいつかいつか。
――――――何に?
了
|